EF200形直流電気機関車
1987年(昭和62年)のJR移行で、JR貨物は多数の機関車を承継した。
直流電化区間ではEF65形・EF66形などを主として用いることとなったが、
景気拡大局面にあって輸送需要が増大していたことや、
将来の車両取替えをも考慮し、機関車の製作を検討することとした。
輸送力増強は喫緊の課題であり、国鉄形式のEF66形・EF81形を
一部改良の上で新造して賄いながら、並行して新型機関車の開発が進められ、
1990年(平成2年)3月に試作機が日立製作所で完成した。
これがEF200形である。
※ネガフィルム時代に撮影したもので写真をスキャンして掲載しています。
2001年1月には1号機が阪神・淡路大震災の神戸復興記念事業の一環として、
車体にイラストを施した「ラッピング機関車」として運用されたことがある。
イラストはルーマニア出身の画家であるアレキサンドラ・ニキータによるもので、
ポートタワーと震災によって犠牲となった少女をモチーフとしたひまわりの絵画と、
「神戸からありがとう」のメッセージがあしらわれたものとなっていた。
同車は約一年間にわたり、特別に用意されたヘッドマークを装備し、
通常運用に充当された。
試作機(901号機)
901号機
1990年(平成2年)6月に製作された、本形式の試作機である。
落成後新鶴見機関区に配置され、各種試験に供された。
運転台屋根が前方に向かってわずかに傾斜し、取付屋根は大型で、
屋根側面を濃青色と灰白色に塗り分けている。
前面下部の灯火類設置箇所は濃灰色で、空調用の風道が設けられた。
取付屋根の塗り分けは更新工事の実施時に廃止されている。
中間台車に設置される引張棒は、側面から見て傾斜した状態で装備される。
性能確認試験の過程で山陽本線の瀬野 - 八本松(瀬野八)の等価査定勾配 25.3 ‰ 区間で
1,100 t 列車の起動試験に成功している。
901号機
量産機(1 - 20号機)
1992年(平成4年) - 1993年(平成5年)に日立製作所で20両が製作され、
落成後は新鶴見機関区に配置された。
試作機の運用成果を基に各部を改良している。
インバータ装置を小型化して容積を抑え、取付屋根の高さを 210mm 低くした。
運転台屋根は室内計器の配置を変更して水平とされ、試作機とは印象が大きく異なる。
前面下部の灯火類設置部は青色とされ、空調用風道は床下に移された。
台車は、ユニットブレーキ装置に駐車用ブレーキシリンダを内蔵して構造を簡素化した。
また、中間台車の引張棒は車体の取付部を延長し、レール面に水平となる位置で装備する.
この改良のため、台車形式はFD3A(中間)、FD4A(両端)に改められた。
1号機
2号機
3号機
4号機
5号機
6号機
7号機
8号機
9号機
10号機
11号機
12号機
13号機
14号機
15号機 未撮影
16号機
17号機
18号機
19号機 (新塗装)
20号機(ラストナンバー機)
Photo by T-Yokote
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